今月の主題 呼吸と循環(生理検査)
技術解説
Sleep apnea syndromeとポリグラフイ
野沢 胤美
1
Taneyoshi NOZAWA
1
1虎の門病院神経内科
pp.387-396
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912164
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Burwellら(1956)により肥満に伴い日中過眠,周期性呼吸と心肺系の異常を呈した症例をPickwick症候群として報告されて以来,その病態究明がなされてきた.1970年代に入り周期性呼吸は肥満以外にもみられること,また日中過眠以外に種々の臨床症状を呈することより睡眠時無呼吸症候群sleep apnea syndromeの概念が確立した.睡眠時無呼吸はポリグラフィ的に閉塞型,中枢型,混合型に分類される.
その臨床症状は,閉塞型では著明な鼾,日中過眠以外に心—血管系に重篤な合併症をもたらすこともあり早期発見,治療が必要であり,重篤な症例に対しては気管切開が行われる.中枢型無呼吸は不眠症の原因となる.診断には終夜脳波ポリグラフ検査が必要である.検査項目には脳波,心電図,眠球運動以外にthermistor,strain gaugeの使用による呼吸曲線,呼吸運動の記録が必要である.その他SaO2,呼気ガス分析などが行われる.
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