呼と循ゼミナール
Sleep Apnea(睡眠無呼吸)について
末次 勧
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1名古屋保健衛生大学内科
pp.50
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203700
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呼吸不全において,睡眠がどのような影響を示すかを知ることは,臨床的に重要であり,かつ興味深い問題である。そこで,今回は睡眠無呼吸sleep apneaについて述べてみたい。
無呼吸とは,10秒間以上鼻孔および口における気流が止まることと一応定義されている。正常でも浅い睡眠期に若干の無呼吸が認められることがあるが,一晩に30回以上出現するのは病的である。無呼吸の程度により,またその発症機序により,臨床症状の現われ方もいろいろであるが,睡眠無呼吸が多い場合には一晩に500回以上,または一回の無呼吸の時間が長い場合には3分間に達することがある。無呼吸の頻発は,低酸素血症,炭酸ガス蓄積,アシドーシスを招き,全身の臓器,組織に様々な影響をもたらす。たとえば循環面に対しては,肺動脈圧上昇,体血圧上昇,不整脈などが認められ,それらが毎晩反復して起きるために高血圧,肺高血圧,肺性心がもたらされると考えられる。
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