今月の主題 呼吸と循環(生理検査)
技術解説
X線および超音波による左心室像の画像処理と心機能計測
桑原 道義
1
Michiyoshi KUWAHARA
1
1京都大学工学部附属オートメーション研究施設
pp.397-401
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912165
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年成人病としての心臓病が増加して,心臓病による死亡数もガン,脳卒中に次いで多くなっており,一般に心筋梗塞,狭心症,心不全などの病名で呼ばれているものがこれにあたる.それとともに心臓のよしあしを示す心機能の計測方法も次々と改良されたり,新しい方法が開発されたりしてきているが,これらの方法によって得られた計測データは,従来はその大部分が医師によって,目で視たり,手を使って計測したりして処理し,診断に役だてられてきたものが,最近ではこのような目的のためコンピューターが導入されてきており,その結果,自動的あるいは半自動的に計測データが処理されて臨床診断に用いられたり,コンピューターを使って初めて計測,データ処理が可能になる問題も出てきている.このような問題の中に画像処理も含められる.すなわちX線が人体の内部構造を二次元画像として表示できるようにして以来,いろいろな装置が開発されて各種の臓器の画像が臨床診断のために提供されてきた.これらの画像からの診断情報の抽出は,従来はもっぱら医師の経験によるパターン認識能力に依存したが,この10年程の間にこのような医用画像のパターン認識や特徴抽出がコンピューターを用いて行われるようになってきた.1〜7)
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.