今月の主題 画像診断
画像診断装置
体表面心電図マッピング
星野 一也
1
,
春見 建一
1
1昭和大学藤が丘病院循環器内科
pp.282-285
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912144
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1.体表面心電図マッピングとは
前胸壁や背部に多数の電極を配置して心電図を記録し,従来の心電図よりも詳細な心電情報を得ようとするのが体表面心電図マッピング(体表面電位図)のねらいである.すなわち,心電図をたくさんとって,より多くの情報をとらえようとするのが本法の原理であり,等電位線図で表現する方法がとられている.
その作りかたは,各誘導点の心電図よりある時刻点の電位を測定し,等しい電位の場所を結んで地図の等高線のように等電位線を描く.この等電位線図が,その時間点の体表面電位図である.体表面の心起電力による電位分布をこのように図示し,これを臨床診断に用いる基礎を作ったのは1960年代,Taccardiらの仕事である.彼は胸壁の200〜400点から心電図を記録し,体表面電位図を手で作り,心室の興奮伝播過程が電位図によく表現されることを示し,また従来の心電図ではわからない心起電力の非単一双極子成分を証明し,本法の有用性を示した.その後,コンピューターやMEの進歩によって多数の心電図の同時収録が可能となり,また電位図の作製が簡単に高速にできるようになるとともに,体表面電位図は心疾患の診断法として注目されてきた.
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