講座・リンパ球の検査・2
NK細胞の分離法
細井 順
1
,
宮田 道夫
1
,
金澤 曉太郎
1
,
笠原 忠
2
Jun HOSOI
1
,
Michio MIYATA
1
,
Kyotaro KANAZAWA
1
,
Tadashi KASAHARA
2
1自治医科大学消化器一般外科
2自治医科大学医動物学教室
pp.182-190
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912122
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はじめに
Natural killer(NK)細胞は,哺乳類,鳥類の大部分の正常個体に存在し,抗原の刺激を受けなくても"自然に"キラー活性を示すリンパ球である1).このNK細胞は,発癌,癌の転移,ある種のウイルスや微生物による感染症,骨髄移植において,生体の免疫監視機構の中で重要な役割を担っていると考えられている,また,NK細胞は形態学的にはLGL (large granular lymphocyteの略,この細胞の形態学的特徴は,腎臓型をした核を有し,細胞質内にアズール顆粒を持ち,細胞質:核比が小リンパ球に比べて高い.)と考えられるようになってきた.一方,NK活性は,インターフェロン(IFN)や,インターロイキン2(IL-2)により増強されることも明らかになっている.
ここでは,著者らが現在行っているヒトNK細胞の分離法(すなわちLGLの分離法)を中心に紹介し,従来より行われてきたIgGに対するレセプターの有無で分離する方法や,モノクロナール抗体によって分離する方法などにも触れてみたい.
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