今月の主題 免疫学の理解とその臨床
免疫機能の解説
ナチュラルキラー(NK)細胞
鳥越 俊彦
1
,
石井 良文
1
1自衛隊札幌病院病理科
pp.444-447
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910179
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ポイント
●NK細胞はMHC非拘束性細胞障害活性をもつCD3-,CD16+,CD56+のリンパ球で,形態的にはアズール顆粒を細胞質にもつリンパ球である.末梢血リンパ球の10〜15%を占める.
●NK細胞は胸腺外で分化・成熟し,成人の赤脾髄,肝類洞などに分布するが,リンパ装置には分布しない.
●NK細胞は抗原の感作がなくともウイルス感染細胞や腫瘍細胞を障害するが,自己と非自己の識別にはMHCクラスI依存性の抑制シグナルが関与している.
●NK細胞は,急性ウイルス感染の初期に働く非特異的細胞性免疫の主役である.特にヘルペス群ウイルス感染の防御に重要である.また,腫瘍の免疫監視機構にもかかわっている.
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