マスターしよう基本操作
リンパ球の分離法
笠原 忠
1
1自治医科大学医動物学教室
pp.1107-1113
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202928
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近年の細胞免疫学の急速な進歩に伴い,検査室においてもリンパ球の表面マーカーによる亜集団の量比測定,リンパ球培養法による機能検定などが日常化しつつある.リンパ球は末梢血,骨髄,リンパ組織,髄液などから得られるが,ここでは主として末梢血からのリンパ球・単球の分離法およびT細胞・非T細胞の分離法について触れる.末梢血からリンパ球を分離する際抗凝固剤を加えて採血すること,またできる限り新鮮な血液を用いることが肝要である.血液から赤血球や顆粒球を除きリンパ球・単球を分離するには,フィコール・ハイパックなどを用いる比重遠心法が一般的である.リンパ球表面抗原の検索には必ずしも厳密な無菌操作を必要としないが,リンパ球培養を行う目的には是非とも無菌操作を心がけねばならない.さらに無菌操作は材料を雑菌でコンタミさせないためにも,またバイオハザードから身を守るためにも心がけなければならない基礎的技術である.
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