基礎科学からの提言・7
酵素を測るとき,使うとき
滝沢 徳正
1
,
山内 惇一
2
,
山下 仁平
3
,
堀尾 武一
3
Norimasa TAKIZAWA
1
,
Jun-iti YAMAUTI
2
,
Jinpei YAMASHITA
3
,
Takekazu HORIO
3
1㈱ヤトロン受託研究員
2オリエンタル酵母工業㈱受託研究員
3大阪大学蛋白質研究所酵素反応学部門
pp.80-90
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912100
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今日の医学においては,他の多くの自然科学の分野におけると同様に,多種の酵素(非酵素蛋白質を含む)が,多様な様式で利用されている.医療の現場における酵素の用途は診断用と治療用に大別できる.それぞれの用途において酵素の役割は急速に拡大され,しかも,その重要度は飛躍的に増大しつつある.その反面,酵素の利用には,至急に解明しておかなければならない問題が山積していることも事実である.特に,体内に酵素を投与することによる治療は,その有効性の期待が大きくなればなるほど,また,投与量,投与回数および反復回数が多くなればなるほど,人体への影響は未知であり,一般の報道で言われているほどに単純ではない.
ここでは,話題を医療の分野に限定し,その中でも,私たちの研究分野からみて,酵素の利用に際して解決されなければならない問題点を指摘して,酵素の有効利用における近い将来の発展を期待したい.
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