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特集 肺癌—新しい診療のポイント
私の肺癌手術—手技とそのコツ
Our operative technique for lung cancer
早田 義博
1
,
清水 正夫
1
,
小野 寿太郎
1
Yoshihiro HAYATA
1
1東京医科大学外科
pp.1241-1246
発行日 1977年10月20日
Published Date 1977/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206821
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はじめに
肺癌の手術は肺結核の外科より入つた医師にとつては容易である,肺結核のように強固な胸膜の癒着,葉間の強い癒合,リンパ節の石灰化と区域動脈の癒合などは少ない.またあつても癌の浸潤によるものでなければ操作は容易である.しかしこれから肺癌の外科を行なう医師にとつては容易でない点も多いであろう.肺葉切除,肺摘除が原則である肺癌では,それでの手術手技は従来の肺結核の外科を主体とした成書によれば十分である.しかし肺結核と異なる点は気管支成形,リンパ節の廓清あるいは心嚢内肺動静脈の処理や胸郭合併切除などである.ここではそれらを全て説明する余裕がないので肺葉切除に必要な上下葉間癒合例の分離,上葉切除時に必要なA1,A2,A3の切離,分岐部リンパ節摘出時の注意事項,および肺区域動脈損傷時の処理を説明する.なお,ここにあげた図はいずれも後方開胸で背部よりみたものである.最も大きな視野をうるためには横切開がよい.前方開胸では肺葉切除時肺門部,分岐部リンパ節の摘除の不自由なことが多い.
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