学会印象記
第32回日本臨床衛生検査学会/第3回国際電気泳動学会
大久保 康人
1
1大阪府赤十字血液センター
pp.898,942
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911941
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輸血の多様化と検査技師の立場
第32回日本臨床検査学会が4月29日から3日間の日程で岡山市で開催された.周到な準備が行われたと聞いているが,12の会場に分かれての学会でたいへん盛会であり,各会場をバスで結び,バス停留所にはそれぞれ案内係を配置された心の配りようには,笠原会長の学会に対する情熱とともに参加者に対する配慮が感じられた.盛会を心からお祝い申し上げたい.学会は招待講演2,会長講演,シンポジウム5,特別集会4のほか一般演題869題と非常にたくさんの講演内容であったが,私は残念ながら全日程に参加できなかったので全体について語ることはできない.したがって,輸血部門に限って印象を述べたい.
パネルディスカッションでは「不規則抗体検索の問題点」と題して,赤血球の不規則抗体と血小板抗体を取り上げ,赤血球不規則抗体については石田萌子氏(関西医大輸血部),西村要子氏(熊本大輸血部),内山英一氏(岡山県赤十字血液センター)の3名,血小板抗体については吉村敬次氏(大阪府赤十字血液センター),小林信昌氏(東海大輸血センター),追加発言として谷脇清助氏(兵庫医大輸血部)の3名がそれぞれの経験に基づく報告を行った.不規則抗体については従来から取り上げられてきているが,血小板抗体については今回が初めてである.血小板輸血についてはその輸注効果の点で血小板抗体が問題となる.しかし,血小板特異抗体は現在のところまだ明確ではない.
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