私のくふう
N・Fアンモニア銀液作製の簡便法
渡辺 直子
1
,
増村 祥子
1
,
諏訪 幸次
1
,
糸山 進次
1
1東京大学医学部病理学教室
pp.671-672
発行日 1983年6月15日
Published Date 1983/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911894
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細網線維(好銀線維)の鍍銀法はGömöri1),渡辺2)らによってほぼ確立されている.これらは,Biel-showskyのアンモニア銀を用いた神経線維鍍銀法を基にしている.
1974年に,NaoumenkoとFei-gin3)によって発表された鍍銀法に使用されたアンモニア銀液は,8%硝酸アンモニウム7mlに蒸留水35ml,4%水酸化ナトリウム8ml,10%硝酸銀3.8mlを順次加えて作るが,この方法は,それ以前の方法,すなわち硝酸銀水溶液と水酸化ナトリウム水溶液の混合によってできる茶褐色の沈殿を含む液にアンモニア水を加えて作る方法に比べて,技術的に容易になった.さらに,この液は比較的共染が少なく,切片がはがれることも少ないなどの利点が多く,わが国では旧来の渡辺鍍銀法の中にこのNaoumenkoとFeiginの方法によるアンモニア銀液が取り入れられて(新しい)渡辺法,またはN・Fの渡辺変法4)として使用されている.渡辺および岩垂5)らによると,このアンモニア銀液は,衝撃や加熱によって爆発するおそれがあるため使用のつど新調し,使用後は塩酸を加え,塩化銀沈殿として処理するよう書かれている.
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