ベッドサイド検査法・1【新連載】
糖尿病のベッドサイド検査法
宇都宮 一典
1
,
池田 義雄
1
Kazunori UTSUNOMIYA
1
,
Yoshio IKEDA
1
1東京慈恵会医科大学第3内科
pp.79-84
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911777
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日常の糖尿病診療の中で,ベッドサイドあるいは診察室で手軽に行える検査となると,おのずから簡易検査に限られることになる.簡易検査はスクリーニングとしての性格のみならず,緊急検査としての使命を担っており,測定自体の簡易性と同時に迅速性,正確性も要求される.
1956年,尿糖検査に導入された酵素試験紙法は,1965年に至って血糖測定用試験紙の開発へと発展した.そして機器によって色調判定を行ういわゆる機器法は,現在糖尿病の簡易検査に欠くことのできない存在となっている.しかし,一方ではあまりにも日常的な存在であるがゆえにややもすれば無神経に取り扱われ,簡易検査法に内在する多くの問題点が見逃されがちである.ここでは糖尿病を診療管理するうえでもっとも重要な血糖,尿糖,ケトン体の簡易検査法をめぐって,試験紙法を中心にその特殊性と問題点を再考してみることにする.
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