今月の主題 血液ガス分析と酸—塩基平衡
検査と疾患—その動きと考え方・60
急性呼吸不全
加藤 幹夫
1
1京都大学結核胸部研究所臨床肺生理学部
pp.1597-1605
発行日 1981年12月15日
Published Date 1981/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911436
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急性呼吸不全には一次的に低酸素症を来し,PCO2は正常かあるいはむしろ低下するタイプのものと,低酸素症にPCO2の上昇を伴うタイプのものとがある.前者は急性に発症した肺水腫や成人呼吸促迫症候群(ARDS),急性肺炎,肺塞栓症及び間質性肺炎などの場合であり,後者は呼吸中枢の障害,神経筋疾患,胸膜病変及び慢性閉塞性肺疾患,特にその急性増悪や気管支喘息の発作重積状態などの場合にみられるタイプである.
ここでは,後者のようなタイプ,すなわちPCO2の上昇によって招来される呼吸性アシドーシスを伴った急性呼吸不全について,解説を加えることにする.
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