増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part3 フィジカルサイン&病態で読み解く呼吸器疾患
4.集中治療室などのベッドサイドで呼吸療法が必要になる疾患
急性呼吸不全(ARDS)
宮下 亮一
1
,
小谷 透
1
1昭和大学医学部麻酔科学講座
pp.1336-1340
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201410
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症例
68歳,男性.高血圧を指摘されていますが内服薬なし.喫煙歴は40本/日,30年間でしたが,1年前から禁煙しています.入院6日前から全身倦怠感ならびに咳嗽があり,入院3日前に他院を受診し感冒薬を処方されましたが,入院1日前から呼吸困難感が出現したため当院受診.室内気での経皮的酸素飽和度(oxygen saturation of peripheral artery:SpO2)が90%であり,胸部X線(図1)では両側肺野に浸潤陰影を認め,酸素療法と抗菌薬投与が開始されました.しかし,呼吸困難感は徐々に進行し,呼吸数が37回・min−1まで増加.SpO2はO2マスク10L・min−1でも85%となり,こちらの問いかけに徐々に反応が悪くなり意識レベルが低下,脈拍102bpm,血圧92/45mmHgでした.
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