Senior Course 病理
—病理検査の技術と知識—染色 Ⅴ
橋本 敬祐
1
1順大・病理
pp.870-871
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909467
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脂肪染色
パラフィン切片作製に大量に用いられるアルコール,キシロールあるいはクロロホルムなどは脂溶性溶媒であるから,特殊な場合を除けば脂肪の染色は新鮮未固定氷結切片によるか,脂溶性溶媒を含まないホルマリン水溶液による固定後の氷結切片が用いられる.通常のホルマリン固定液の代わりにBakerのホルマリン・カルシウム固定液(局方ホルマリン10ml,無水塩化カルシウム1.0g蒸留水80ml)を用いるか,McManusの液(硝酸コバルト1.09,10%塩化カルシウム水溶液10ml,局方ホルマリン10ml)を用いれば脂肪の散逸を防ぐことができる.しかし,いずれにしても脂肪の染色はなるべく早い時期に行うほうが良い結果が得られる,特にリン脂質より成る小滴脂肪が消失しやすいとされている.
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