技術解説
パラフィンによる脳大割切片作製法
市川 悦子
1
,
安藤 怜子
1
,
松山 春郎
1
1東京都神経科学総合研究所臨床神経病理研究室
pp.777-786
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909444
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神経系は百億を越えるニューロンより成り立つていて,これが互いに連絡し合って,その複雑な機能が営まれている.実質細胞の形態,機能がその部位により著しく異なることは,他臓器にみられない特異なもので,同種の病変でも,侵された部位によっては異なった臨床症状を現す.また,ある種の病気では特定の部位が侵される.このことは病理診断上に重要である.病変の好発部位は,中毒,栄養障害,代謝障害,系統疾患,ウイルす脳炎などの診断に際して重要鑑別点となる.以上のことから,脳の検索には大切片の組織標本を作ることが要求される.
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