日常検査の基礎技術
凍結切片作製法
和田 昭
1
,
高取 誠
1
,
吉里 勝彦
1
,
寺島 寛
2
,
山下 達雄
2
1大阪府立成人病センター病理検査科
2阪市大中検
pp.897-904
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908640
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凍結切片の作製法はパラフィン切片と同様,作り方にだいたいの方式はあるが,こうすれば必ず最善のものが得られるという方程式はなく,あるわく内で経験的に作られることが多い.したがって,同一臓器組織からでもでき上がりがなかなか一定しないのが普通である.しかしながら一方では外科医の要望で,手術中における迅速診断の必要性がだんだんと高くなり,どの病院でも好むと好まざるとにかかわらず,迅速標本作製を病理検査室業務のひとつに組み込まざるを得ない状態に立ち至っている.事実,術中迅速診断施行により,悪性と考えられていたものが良性であったため患者に不必要な侵襲を加えるのを防げたり,反対に術前良性と思われた病巣の中に悪性像が見つかったため,適切な処置を行いえた例は数限りなく経験するところである.ここでは手術室から検体が届けられてより,凍結,薄切,染色,封入を終わるまでの過程をうまくこなせるよう,電気法,炭酸ガス法そしてクリオスタット法をなるべく具体的に述べてみたい.
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