総説
寄生蠕虫症の血清診断
辻 守康
1,2
1広島大・寄生虫学
2虎の門病院
pp.603-607
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909392
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近年の医学領域における免疫学的研究の著しい進歩に伴い,寄生虫学領域においてもこれら免疫血清学的手法が検討され,既に多くの寄生虫感染症の補助的診断法として試みられ,実用化されている.人体寄生虫症の確定診断は,虫体あるいは虫卵の証明という形態学的証明にあることはいうまでもないが,最近我が国でもしばしばみられるアニサキス症やイヌ・ネコ回虫症のごとき異所寄生例の場合とか,感染虫体数の少ない場合には血清診断が決め手となることが少なくない.そこで今回はこれら寄生虫症における血清診断の幾つかについて述べるとともに,その問題点,留意すべき事柄などについてもふれてみたいと思う.
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