基礎講座
消化管寄生蠕虫類の検査方法と同定
小林 浩二
1
1北里大学保健衛生専門学院 臨床検査技師養成科
キーワード:
アニサキス症
,
セロハン
,
消化管疾患
,
遠心分離
,
回虫症
,
花粉
,
紙
,
蟯虫症
,
鑑別診断
,
蠕虫症
,
鞭虫症
,
生物材料の保存
,
裂頭条虫症
,
Taeniasis
,
検便
,
寒天平板法
,
虫卵
,
塗抹標本
Keyword:
Trichuriasis
,
Anisakiasis
,
Enterobiasis
,
Diagnosis, Differential
,
Diphyllobothriasis
,
Cellophane
,
Centrifugation
,
Gastrointestinal Diseases
,
Ascariasis
,
Pollen
,
Preservation, Biological
,
Paper
,
Helminthiasis
,
Taeniasis
pp.1110-1118
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.32118/J01436.2023000050
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◎虫卵 消化管寄生蠕虫の虫卵検出法は,直接塗抹法とMGL法が基本である.虫卵の特性を理解したうえで,比重が小さい虫卵の検出には浮遊法,肛門周囲の虫卵検出にはセロファンテープ法,スクリーニングにはセロファン厚層塗抹法を用いる.◎虫体 検出される虫体は,おもに条虫類と線虫類である.虫体を保存する場合は,固定と乾燥防止のため10%ホルマリン液を利用するが,後に遺伝子検査を実施する場合は80%エタノール保存が望ましい.◎夾雑物(偽虫体・偽虫卵)魚料理を喫食した後の糞便中に,魚の寄生虫卵が未消化のまま排泄されることがある.また,花粉を虫卵,紐状の食物残渣を虫体として見誤ることがないように注意する.
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