Senior Course 血清
—最新の免疫学的検査法—M成分のSubclassの同定法
冨永 喜久男
1
1九大医療短大部
pp.1474-1475
発行日 1975年12月15日
Published Date 1975/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909225
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Subclassの免疫化学的意義
単クローン性Ig異常症で血中にみられるいわゆる"M成分"は,WHO専門委員会のすすめにより現在ではIgG (κ)とか,IgA (λ)とか記す方法が定着してきた,しかし,外国の論文を読むとG,Aなどの文字の後に1,2などと番号がつき,例えばIgG1(κ),IgA2(λ)などとなっている.Gでは1〜4,Aでは1〜2,の中のどれかであるが,これはSubclass (以下sub.と略す)と呼ばれる抗原性で,IgGの場合,そのパパイン処理で生じる2個のフラグメントの中の1つであるFc (3月号,Homology Regionの項で説明したCγ2+Cγ3に相当する)の部分の構造で規定される.正常人はすべてのsub.に属するIgG, IgAを一定の割合で持っているが,M成分はその産生の単一クローン性を反映してどのsub.かに属するわけである.
IgGのsub.別の差については既に多くのことが知られている.例えば,全IgGの内訳(IgG1が最も多く65%,以下23%,8%,IgG4の4%),それぞれのsub.の中でのκ/λ比(1:1〜5:1),Gm因子のsub.別の分布,半減期,異化率,補体との結合能,皮膚感作能,各種抗原に対する抗体の分布,などである.
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