研究
血中ATP測定上の二,三の問題点について
堀川 秀男
1
,
伊藤 祐輔
2
,
内藤 笑美子
2
,
一柳 邦男
1
1山形大麻酔科
2新潟大麻酔科
pp.188-191
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908878
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緒言
生体が疾患などの非生理的状態におかれた場合,細胞内ATPの産生・消費の平衡が崩れ血中ATP含量が変動する可能性がある.
ショック時にある種の組織でATP含量が減少すること1〜6),およびATP投与がある種のショック治療上有効であることが報告されているが,その効果の機序については一致した見解はない6〜10).このようにATP投与の有効な場合の一つとして,低下した体内ATPレベルを体外性に補った場合が考えられる.この場合いずれの器官におけるATP変動をとるかが問題になるが,ショック時に肝ATPレベルの低下することは,現在までの報告者の間で一致した見解であり,体内ATPレベル変動の指標として,肝ATP含量を用いるのが合理的であると考えられる.
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