特集 婦人科造影の臨床
子宮卵管造影法の臨床読影上の二,三の問題
貴家 寛而
1
Kanji Kika
1
1福島医科大学
pp.1019-1026
発行日 1968年12月10日
Published Date 1968/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203966
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はじめに
子宮卵管造影法が婦人科疾患の診断の目的に試みられてから,半世紀余り経過した。当初は実施に際していろいろの危惧が少なくなく,可成りの問題がないでもなかつたが,その後の造影剤の改良,レ線装置の進歩とともに,本法の臨床的価値は再びみなおされ,普及し一般化し,現在では婦人科領域の診断には欠くことの出来ない方法となつてきている。
元来,婦人科的診断の方法としては"内診"がいわば唯一のものであつたが,この種の感覚的な,特別の慣れと"かん"を必要とする半面,多分に客観性に乏しい方法は近代性に欠き,科学的でないという批判がこの新しい造影法を臨床に導入させる大きな動機になつたようであり,とくに,若い人達から強く歓迎され,戦後は広く普及するに至つたように思える。
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