けんさ質問箱
血中イオン化カルシウム測定上の問題点
高木 康
1
,
T生
1昭和大臨床病理
pp.1105-1106
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205662
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問 血中のイオン化カルシウムは生理活性物質として重要な作用をもっていますが,これを濃度として測定するとき,他の物質との結合型などへの変換が起こりやすいといわれており,その影響が考えられます.どんな物質と結合するのか,それの測定上の問題点につきお教えください.(大阪・T生)
答 血清(血漿)中のカルシウムは通常,次の3型で存在しています.すなわち,非透析性で血漿蛋白,特にアルブミンと結合した結合型,透析性の非解離塩型とイオン型の3分画であり,これらの全カルシウムに占める割合はそれぞれ43〜47%,5〜10%,48〜52%であります.血清カルシウム3分画のうち生理学的活性を有するのはイオン型であり,これは生体内で細胞膜の透過性,神経・筋肉の興奮性,血液の凝固機転,および血中酵素の活性・賦活化など種々の重要な役割を果たしています.
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