ザ・トレーニング
薬物血中濃度測定上の注意点
千葉 寛
1
,
石崎 高志
2
1国立病院医療センター臨床研究部臨床薬理室
2国立病院医療センター臨床研究部
pp.1482-1486
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205533
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今日,わが国においても,多くの施設で薬物血中濃度(本稿では血漿および血清中濃度の総称)の測定が,日常の検査として行われるようになった.薬物血中濃度測定が従来の臨床検査と異なるもっとも大きな点は,測定の対象となる薬物が治療のために外部から与えられた物質である点である.
患者に投与された薬物は,吸収,分布,代謝,排泄の過程を経,薬物血中濃度はそれに応じて時間とともに変化する.そのため,同一患者に同量の薬物を与えても,採血時期が異なれば,得られる血中濃度は大きく異なる.さらに,薬物血中濃度は服薬違反,病態,薬物相互作用,遺伝など患者側の要因により大きく影響を受ける.
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