私のくふう
試験管立てにナンバープレートを
黒河 和彦
1
1済生会小田病院検査室
pp.59
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908839
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血清分離段階における労力は依然として人手にたより自動化の困難な部分である.人為的作用の継続は長時間に及ぶと生理的疲労が幾何級数的に増し,そこに予期せぬトラブルが介在している.今,仮に血清分離後のテストチューブが十本試験管立に並んであったとする.その内3本が同姓の田中さんであり,名前は一郎,二郎,三郎とする.一郎は左端から3番目,二郎は5番目,三郎は7番目の位置にあった場合,3人のテクニシャンによりこの3本のテストチューブを化学分析のため同時に持ち去り,その後最初にもとの場所に返しに来た一郎の検体をあやまって5番目に置いたち,他のテクニシャンが二郎の検体と勘違いしてよく確認もせず使用する場合がまれにあると推察する.そこでテストチューブのナンバーと試験管立のナンバープレートのナンバーとをダブルチェックすることによりこのようなトラブルを,防ぐことができると思い考案した.ナンバープレートはセルロイドで透明なものがよいようである.私はちょうど恰好なケースの蓋を利用した.ナンバープレートのナンバーまたは氏名は水溶性だとあとで簡単に消せて便利である.また試験管立の底にスポンジを敷くとテストチューブの破損を防げる.
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