海外だより
マレーシアでの検査業務に参加して
富川 進
1,2
1越谷市立病院検査科
2元:日本青年海外協力隊
pp.55-59
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908838
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
マレーシアの人口は1,000万人,土地総面積は日本と同じぐらいである.主な産業はゴム,ココナッツ,オイルパームと豊富な錫が主で,GNPは東南アジアではシンガポールに次いで第2位である.国道はよく整備され,首都のクアラルンプールのメインストリートわきなどは両サイド一面に芝が植えられ,空は青く,その中にエキゾチックな回教文化の建物が建ち並ぶのを見ると,なにかオトギの国へやって来たみたいに美しく感じる.だが気候は1年中日本の真夏みたいな暑さである.戦前戦後を通じて永い間イギリスの植民地であり,シンガポールと離れてマレーシア連邦共和国として独立したのはつい10年前のことである.この国に住む国民の45%はマレー系マレー人で,中国系マレー人も45%を占め,インド系マレー人8%,その他は白人の混血や原住民などの複合民族国家である.
日本青年海外協力隊員として,私がここへ派遣されたのは医者6名,看護婦6名,助手100名,ベッド数300床の原住民病院の検査室での技術指導ということであった.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.