論壇
検査室運営のあるべき姿
梅垣 健三
1
1奈良医大・病態検査
pp.754-755
発行日 1974年7月15日
Published Date 1974/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908601
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臨床検査の普及,発達は実に目をみはるものがあることは,だれしも疑う余地のないところである.
終戦後間もなく,私が小児科医として病院に勤務していた当時は,診察室の横に設けられた小さな検査室で(恒温器,遠心器,顕微鏡,冷蔵庫,天秤などが備品として備えられていたにすぎなかった),明け暮れ外来および入院患者の検査を行っていた.当時から血液学に興味を持っていた関係上,血液検査を行う頻度が多く,また当時の一般病院の小児科の検査は,肝機能検査にしても内容は今と比較にならなかったが,それでも懸命であった.小児科では脳脊髄液検査が他科に比べてずいぶん多く,しかも髄液採取後はただちに検査して診断決定をせねばならないのであって,一般に検査は(特に小児科領域の疾患は経過が急であることを念頭に入れれば)検体採取後ただちに検査にとりかかることが当然で,このような状態で訓練されてきたわけで,検査は迅速と同時に正確である鉄則が頭にしみ込んでいた.
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