グラフ
組織と病変の見方 肉眼像と組織像の対比—泌尿器とその病変(2)
金子 仁
1
1日本医大・老人病研究所基礎部
pp.319-322
発行日 1972年3月15日
Published Date 1972/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907562
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腎癌は決してまれな腫瘍ではない.血行性転移が著明なので,時に転移部の症状が先に出ることがある.ここに紹介する例も全身の骨転移があり,生前骨髄腫と診断された.組織学的に,原形質のきわめて明るい細胞が特徴である.
腎の転移性腫瘍も多く経験される.この例は肉眼でもハッキリわかる悪性黒色腫の転移である.原発は右足裏皮膚で,剖検したら,全身臓器に転移があった.
膀胱の粘膜は移行上皮細胞でおおわれている.膀胱のみならず腎孟,尿管,尿道の粘膜も移行上皮であることは忘れてならない.これは尿細胞診のときに問題になる.膀胱炎のときは移行上皮細胞が剥離してしまう.
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