グラフ
組織と病変の見方 肉眼像と組織像の対比—消化器とその病変(2)
金子 仁
1,2
1国立東京第一病院病理
2日医大・病理
pp.115-118
発行日 1970年2月15日
Published Date 1970/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906685
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胃癌はいうまでもなく,日本人では最も多い癌である.ここに収めた例は定型的なボールマンI型である.この分類はⅠ型よりⅣ型まであり,Ⅳ型は塊を作って内腔に突出する傾向は少なく,ビマン性に広がり,健常部との境界が鋭界でない.このⅠ型とⅣ型の間にⅡ型,Ⅲ型があり,しだいに悪性度が強くなる.胃癌の組織像はこの図のように,腺癌が基本である.
肝癌(ヘパトーマ)は胃癌ほど多くはないが,時々は経験する.2/3は肝硬変症から発生するといわねている.組織像は独特で,定型的なものならその転移部の組織像のみ見て,これはヘバトームの転移であると断定することができる.
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