特集 酵素検査法
血清
溶連菌酵素に対する抗体の検査法
大国 真彦
1
1日大・小児科
pp.1352-1356
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907443
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溶連菌酵素とは
人体に溶連菌の感染が起こった場合,人体はこれに対して抗体を作る.この場合,溶連菌の菌体外毒素に対する抗体と,溶連菌の菌体成分に対する抗体とが産生されるが,この菌体外毒素は溶連菌の産生する酵素である.
溶連菌が産生する菌体外毒素には多くのものがある.ストレプトリジン-O,ストレプトリジン-S,ストレプトキナーゼ,ヒアルロニダーゼ,デスオキシリボヌクレアーゼB(ストレプトドルナーゼB),NAD-アーゼなどがおもなものであるが,このそれぞれに対して人体は抗体を産生する.しかし現在のところ一般に用いれらるのはASO(streptolysin-Oに対する抗体),AHT(Hyaluronidaseに対する抗体),ASK(Streptokinaseに対する抗体)などであり,それ以外の菌体外毒素あるいはMタンパクなどの菌体成分に対する抗体は,現在かなりのものが測定できるが,一般的にはルーチンとしては測定されない.それゆえここではこの3者の測定法について述べる.
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