特集 酵素検査法
血清
赤血球の酵素処理と血液型検査
井関 尚栄
1
,
古川 研
1
1群馬大・法医学
pp.1356-1359
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907444
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汎血球凝集反応(Panhaemagglutination)
汎血球凝集反応1)とは,正常血球にM菌,J菌などのほか特殊な細菌が作用して,酵素作用の結果,変状血球となり,どの血清にも凝集反応を起こす現象をいう.この現象をトムセン氏現象(Thomsen-phenomenon)ともいい,酵素作用の結果,生じてきた変状血球の新しい抗原をT抗原と呼ぶこともある.おそらくタンパク分解酵素を出す細菌の作用によって,このような現象を起こすようになるものと考えられている.したがって,変状した血球を知らずに血液型の判定に使用した際には,血液型の判定の誤りをきたすので,室内に放置しておいたような古い血球を使用する際には注意を要する.
しかし,このような現象の発見があってから,次のように積極的に酵素処理血球を使用して血液型の研究を行なう気運が生まれてきたことも確かである.
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