研究
FTA-ABSについて
河瀬 正晴
1
,
原 功
1
1姫路赤十字血液センター
pp.605-608
発行日 1971年6月15日
Published Date 1971/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907230
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はじめに
梅毒血清反応として,従来からカルジオライピン1)を抗原とした各種反応が行なわれてきた.しかし,カルジオライピンはトレポネーマ・パリーダムとは無関係のリン脂質であるため,梅毒以外の疾患に際してもかなりの率で陽性を呈する.この偽陽性反応は生物学的偽陽性反応(BFP)として古くより知られていた.この問題を解決するにはトレポネーマ・パリーダムそのものを抗原とする反応を採用することが最善の方法であることは明白である.
そこでわれわれはTP抗原を使用した反応として,TPHA2,3)とFTA-ABS4-7)を採用した.特にTPHAは術式が簡単で特別な機械なども不要であるため,日常検査として広く採用されている.反面,FTA-ABSは螢光顕微鏡8)を必要とし,術式も複雑であるため,日常検査として広く採用されるにはぼお多くの問題を残している.
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