研究
梅毒血清反応の検討(Ⅱ)—主として臨床診断からみたFTA-ABS,TPHAの成績について
吉岡 秀雄
1
,
磯部 淳一
1
,
篠原 紀美代
1
,
庄野 和子
1
,
山中 学
1
1徳大病院中検
pp.594-597
発行日 1971年6月15日
Published Date 1971/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907227
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
現行のカルディオライピンを抗原とした梅毒血清反応(Serologic test for syphilis以下STS)は,抗原活性をもつと考えられるカルディオライピンが,梅毒病原体のトレポネーマ・パリダム(TP)と無関係のリン脂質であるため,梅毒以外の血清でも,しばしば生物学的偽陽性反応(Biological false positive reaction以下BFP)を起こすことが知られている.
このBFPを除外する方法としてTPを抗原とした検査法の開発が進められ,1949年Nelsonら1)によりTPIテストが発表されたのを端緒として,種々の方法が考案されている.—ところで,このTP反応にも求められることは,まず第1に鋭敏度,特異度が高いこと,もう1つは日常の臨床検査に導入が可能な,技術的に簡単な検査法であることの2点である.当検査室においても多年STS,TP反応について比較検討を行なっているが,前回,STS3法,RPCF,FTA−200,TPHAについて検討を行なった結果,TP反応においても,なお鋭敏度,特異度において問題があることを指摘した2).
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.