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グラフ
FTAテスト
Fluorescent Treponemal Antibody Test
水岡 慶二
1
1東大血清学教室
pp.660-662
発行日 1964年8月10日
Published Date 1964/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200399
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Cardiolipin抗原による梅毒血清反応では,梅毒でない場合にも反応が陽性になることがしばしばある。このような非特異的陽性反応を生物学的偽陽性反応(biological false positive reaction,略してBFP)と呼ぶが,かかるBFPを無症状の梅毒と鑑別するためには梅毒病原体Treponema pallidum(TP)を使つた特異度のたかい反応にたよらなければならない。
ここに紹介したFTAテストはこの目的のために考案された方法であり,現在各分野でひろく応用されている螢光抗体法の間接法を応用した反応である。この反応では抗原にNichols株TPを用いて患者血清中のTPに対する抗体を検出するわけであるから,Cardiolipin抗原による反応よりも当然特異度がたかい。それに鋭敏度もたかく,術式も簡単であるから同じNichols株TPを使うTPIテスト(Nelsonテスト)よりも実用的である。もちろんまだいろいろと検討し,解決すべき点などもあるかと思うが,現在の段階では,血清反応だけで診断する場合に梅毒かBFPかをきめる手段としてはもつともよい方法のように思える。
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