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逆説睡眠とポリグラフィー(1)—脳波と睡眠
神保 真也
1
1東大精神神経科
pp.788
発行日 1970年8月15日
Published Date 1970/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906876
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脳波は睡眠の深さを知る重要な指標となっている.しかし,人の夜間睡眠について脳波を連続的に長時間記録していると,入眠してから約2時間後に深睡眠期から自然に浅い睡眠脳波に変わり,覚醒または傾眠時のようなパターンになる.しかしこのとき,その人の眠っている様子は,からだはぐったりとしていてなかなか覚醒させられない.このような睡眠状態についてはかなり以前から報告がある.
Blakeら(1939)は人の夜間睡眠で深睡眠期のあと,平坦な脳波を示しながら深く眠っている状態をnullstageと呼び,Gibbsら(1950)は早朝覚醒ないしは傾眠期の脳波を示すが,傾眠期とは異なって安定して長く続き,覚醒しにくい状態をearly morning sleepと呼んだ.
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