ひろば
一発勝負の危険と,自他ともに納得のいく成績値
中西 寛治
1
1鹿児島・国立志布志療養所研究検査科
pp.714
発行日 1970年7月15日
Published Date 1970/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906853
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臨床検査は検査件数の上昇と検査法の改良がすすむにつれ,年々量と幅の増加によって,忙しさの一途をたどっている.しかし,忙しさの美名にかくれて成績値の検討をおろそかにし,出た数値のみに固執して成績随を提出するのは,たいへん危険であり,また,技術者でなく1個の機械のようになってしまう.
1947年アメリカで,同一血液を各病院検査室に広配布し検討したところ,憂うべき分散を示した.これがきっかけでか,日本臨床病理学会や日本衛生検査技師会も,数回にわたり上記のような検討された結果,アメリカと同様異常なバラツキを示していることは,諸兄もよくご承知のことであります.また,各県単位でも同様なこころみがなされ,同じような結果を見るとき,器械・器具の相違,テクニック,試料の配付時などの検討をすれば,このようなバラツキが出るのはやむおえないと,ややもすれば考えたくなり,いわゆる耐性化していく現状ではなかろうか.
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