新しい検査室
心電図迅速仕上げの新工夫
滝野 純治
1
1播磨造船所播磨病院(臨床検査室)
pp.292-294
発行日 1959年5月15日
Published Date 1959/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905577
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I.まえがき
近年循環器疾患に対する一般の関心が増大すると共に心電図検査の重要性が認識せられ心臓疾患のみならず電解質代謝,内分泌疾患,外科手術等に際しての利用価値も増大し,心電図撮影は日常不可欠の臨床検査としてその地位を確保するに至つた。
加えて電子工学の発達は心電計にも多くの改良をもたらし,就中直記式心電計の出現は臨床上容易に撮影を行い得る新しい途を拓いたものと見做されるが,我国の現状では撮影上其他になお種々未解決の問題を貽しその普及率も未だ写真式には及ばない様である1)。一方写真式心電計は古い歴史を有して直記式で得難い精密な曲線が求められ,記録の保存性にも優れている等多くの捨て難い長所を有するのであるが2)3)4),共通した欠点として現像に少なからぬ時間と手数を要し,臨床上至急結果を観察せんとする場合非常な障害を及ぼしている。
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