特集 なぜ看護婦であり続けるのか
仕上げというものがない看護
伊笠 美代子
1
1神奈川県立せりがや園
pp.1001-1003
発行日 1975年10月1日
Published Date 1975/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917348
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私を悩ますものがあり続けて……
──看護は出会いによって,人との出会いの中に自分の看護婦としての喜びを見いだしたということをいろいろ聞いています.ある人にとっては出会いが決定的なものでしょうが,一般病院でそれだけ神経を注いだら耐えられなくなってしまう.そんなに人間的な交わりばかりしていたら続けられなくなってしまうと言う人もいます.ですからある人には出会いでしょうが,ある人には別のものがあると思うのですが,伊笠さんの場合なぜこのように長く続けられたか…….
電話で,なぜ看護婦をこんなにも長く続けられたかと聞かれたとき,いちばん最初に何を思ったかというと,続けようとして続けられたわけではないということですね.目標が遠くにあったわけでもなく,手前で足もとばかり見ていて,ふと気が付いたら,あんた随分遠くに来たね,と人に言われたりしたんです.
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