コーヒーブレイク
イチローとジェームス・ディーン
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.383
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905078
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今年も日本プロ野球や米大リーグが始まろうとしている.去年は大リーグ新人王とMVPに輝いたイチローのプレーに年間通じて楽しませて貰ったが,今年も何より期待される生活の中の楽しみである.私には彼の成績よりも時々に彼の語るコメント,抱負,持ち前の心情に魅きつけられる.そしていつからかその風貌が,人種は異なれ今は伝説となった米国男優のジェームス・ディーン(J.D.)に極めてよく似ていることに気付いた.
J.D.は1955年,24歳の若さで事故死するまでわずか18か月のハリウッド生活で,3本の映画に主演し,不滅のヒーロー,永遠のスターと呼ばれるに至った.当時の若者の旗手といわれたことは今の若者にも記憶されていると思うが,生きていればもはや70歳となる.にもかかわらずその3本の映画,『理由なき反抗』,『ジャイアンツ』,『エデンの東』は今見直しても鮮烈な個性と演技力で絶大な感銘を人に与え続ける名作である.それはその短かい人生を生きることに熱中し,若さと苦悩を表現すべく努力した故であろうと思われる.
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