今月の主題 再生医療と幹細胞
各論
皮膚の組織工学
矢永 博子
1
,
山本 美佐
1
Hiroko YANAGA
1
,
Misa YAMAMOTO
1
1矢永クリニック・皮膚再生研究所
キーワード:
皮膚
,
組織工学
,
表皮細胞の培養
,
自家培養表皮移植
,
同種培養表皮移植
Keyword:
皮膚
,
組織工学
,
表皮細胞の培養
,
自家培養表皮移植
,
同種培養表皮移植
pp.394-402
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905080
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熱傷や潰瘍,外傷などの広範囲皮膚欠損創を治療する場合の問題点は,創を閉鎖するための自家皮膚を採取するのに限界があることである.この問題を解決するためにin vitroでヒト表皮細胞を単細胞から培養し,表皮組織を再生する細胞工学の技術が考案された.ついでin vitroで再生された培養表皮を用いた新しい治療が発展してきた.臨床的には広範囲熱傷,慢性潰瘍などの皮膚欠損創の治療に対して,世界中で約1,000例以上の症例に培養表皮は用いられている.しかし,この治療が始まって約20年が経過した現在,培養表皮を用いた治療の優れた点と問題点が明らかになってきた.ここでは,皮膚の組織工学の草分け的存在である培養表皮を用いた治療について述べるとともに,この治療の優れた点と現在の問題点について概説し,今後の課題にっいて記載した.
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