糖尿病治療 通説への挑戦 進化する科学知識は既存の糖尿病治療学に何を伝えたいのか
細胞シート工学を用いた皮下新生膵島組織の構築
清水 裕史
1
,
後藤 満一
,
岡野 光夫
1福島県立医科大学 医学部臓器再生外科学講座
キーワード:
Langerhans島移植
,
糖尿病
,
組織工学
Keyword:
Diabetes Mellitus
,
Islets of Langerhans Transplantation
,
Tissue Engineering
pp.535-540
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015158975
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1型糖尿病に対する組織移植治療として発展してきた膵島移植は,膵臓移植に比しきわめて低侵襲な治療法であるとして,その治療効果に大きな関心が寄せられている.これまでわれわれは,細胞工学を用いて膵島をシート状に再構築し皮下移植することで,皮下で良好な機能を有する新生膵島組織を作成することに成功した.細胞シート技術はほかのさまざまな細胞にも応用されており,それらを膵島細胞シートと組み合わせて積層化することが可能である.今後の展望は,積層化技術を応用した複合型膵島細胞シートの開発により,急激な膵島障害,拒絶反応,血流障害などの重要課題を克服し,臨床のニーズに応じた再生医療を提供することである.
©Nankodo Co., Ltd., 2015