発行日 2005年4月11日
Published Date 2005/4/11
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2005176225
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放射線処理によって生物活性を失った自家処理骨モデルをラット腸骨より作成し,再生医療技術により骨形成能を付与できるかどうかを検討した.対象は,放射線照射(60Gy),およびラット大腿骨から骨髄細胞を採取して培養した骨髄間葉系細胞含有液の浸透を行ったA群,放射線照射のみを行ったB群,摘出骨片をそのまま用いたC群に分けた.A群ではアルカリホスファターゼ(ALP)活性,オステオカルシン遺伝子発現を認め,壊死骨を認めるものの,壊死骨に隣接するように骨芽細胞の配列がみられた.B群ではALP活性,オステオカルシン遺伝子発現をほとんど認めず,壊死骨のみがみられた.C群ではALP活性,オステオカルシン遺伝子発現を認めたが,一部に壊死骨がみられ,それらは経時的に増加した.骨髄間葉系細胞の搭載と放射線照射処理により骨組織の壊死と骨芽細胞の出現がみられ,その骨芽細胞が新生骨を形成することが確認された
©Nankodo Co., Ltd., 2005