特集 超音波検査の技術と臨床
Ⅳ.腹部
5.門脈血流
川崎 俊彦
1
,
工藤 正俊
1
Toshihiko KAWASAKI
1
,
Masatoshi KUDO
1
1近畿大学医学部消化器内科
pp.1431-1435
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904950
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はじめに
肝硬変症や劇症肝炎,術後肝不全など様々な肝疾患の病態を把握するには,肝血流量の正確な測定が不可欠である.肝臓は肝動脈と門脈の2重の供血路をもつ,ユニークな臓器である.門脈は酸素分圧こそ肝動脈より低いが,血流量は肝動脈の2~4倍であり,消化管より肝へのホルモン伝達も担っていると考えられるため,その動態の把握は肝動脈以上に重要である.
超音波ドプラ法を用いた血流計の臨床応用が始まると,層流であり定常流に近い門脈系の血管の血流量は,体外よりかなり正確に測定できるようになった1).
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