臨時増刊特集 エコー法の現況
Ⅱ 診断と治療への応用
B 腹部エコー法
55.パルスドプラ法による門脈血流計測
木村 邦夫
1
,
梶川 工
1
,
松谷 正一
1
,
大藤 正雄
1
1千葉大学医学部・第1内科
pp.2390-2395
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220091
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
超音波ドプラ法は,ドプラ効果を応用した血流速度検出法であり,1956年里村ら1)によりわが国で考案され,以後臨床応用されるようになった2-4).当初は連続波ドプラ法により浅在性の動静脈における血流計測が試みられていたが,超音波ビーム軸上のすべての血流情報が検出され,任意の位置のドプラ信号を選択することが困難であった.近年,連続波にかわってパルス波を用いた距離分解能をもたせたパルスドプラ法が開発されたため5,6),特定の深さの血流情報を得ることが可能となった.さらに,このパルスドプラ法をリアルタイム超音波診断装置(セクター型,リニア型)と組み合わせた複合装置の開発により,腹部における任意の血管内の血流速度の計測が臨床的に可能となり,門脈においてもさまざまな病態における血行動態を知ることができるようになった7-9).
本稿では,門脈系におけるパルスドプラ血流計測について概説する.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.