門脈血流障害の画像と病態

Hepatic Parenchymal Changes Caused by Portal Flow Disturbance

要旨　門脈血流障害が生じた場合，肝動脈血流増加やcavernous transformationに代表される側副血行路の発達による代償が生じる．このような肝血流の代償性変化が，造影画像上種々の所見を呈し時に正確な画像診断を妨げる場合がある．また，肝内で局所的な門脈血流障害が継続した場合には血流障害部に一致した種々の実質変化（肝萎縮や過形成性変化，脂肪や鉄沈着の差異など）が生じうる．本稿ではこれら形態的変化を生じうる門脈血流障害の原因を列挙し，画像所見および病理所見について解説する．