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新しい精子受精能力検査
寺田 幸弘
1
,
村上 節
1
,
八重樫 伸生
1
,
岡村 州博
1
1東北大学医学部産婦人科
キーワード:
生殖補助技術
,
精子受精能
,
ユビキチン
Keyword:
生殖補助技術
,
精子受精能
,
ユビキチン
pp.1005-1008
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904868
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1.はじめに
子供をもうけ慈しんでゆきたいという気持ちは,人間の本質に基づいた希望であり,われわれ医療従事者が最も尊重しなければならない事柄の1つである.しかし,近年の生殖補助技術(体外受精胚移植:in vitro fertilization and embryo transfer;IVF-ET,卵細胞質内精子注入法: intracytoplasmic sperm injection;ICSI,など)の極めて急速な発達は,前述した大前提を盾にして臨床技術としての安全性の検討が不十分なままに成し遂げられてきたこともわれわれは銘記すべきである.すなわち,人類の将来を担う次世代にかかわる大切な技術が科学的な根拠が未熟なまま施行されている現実が存在するのである1).今後,われわれがなすべきことは,新技術の開発とともに,最も適切かつ必要最低限の不妊症治療を行うための客観的な情報をもたらす検査体系を確立することである.不妊症の検査は各原因ごとに種々存在するが本稿では男性不妊症検査の中心となる精子機能検査について,現在までの知見とこれからの方向性について解説する.
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