特別寄稿
HIV除去精子による体外受精
花房 秀次
1
1荻窪病院血液科
pp.240-244
発行日 2002年3月25日
Published Date 2002/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902841
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HIV/エイズ診療の進歩と状況の変化
1996年以後,プロテアーゼ阻害剤を含む多剤併用療法(Highly active antiretroviral treatment:HAART)の普及により,エイズによる死亡者は80%以上減少し,エイズは死の病気ではなくなりつつある1)。現在ではHIV感染者は長期生存が可能になり,結婚して子どもを求める夫婦が増えてきており,QOLの改善が求められている。
私がHIV感染者の精液からHIVを除去する研究に取り組んだのは1994年であった。きっかけは,当院に通院中のHIV感染血友病男性から,「妻に感染させることなく子どもを持ちたい」との相談を受けたことだった。
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