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甲状腺検体における細胞診検体採取・標本作製のポイント
佐々木 栄司
1
1昭和大学横浜市北部病院甲状腺センター
pp.76-77
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208880
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はじめに
甲状腺細胞診においての“よい標本”とはどのようなものでしょうか? それは乾燥などの固定条件のアーチファクトが少なく細胞像が明瞭に観察でき,かつ細胞量も多い標本と考えます.しかし,実際には,穿刺時の血液や囊胞液の混入により細胞をスライドガラスに上手に塗抹できないことが甲状腺の検体不適正標本の原因であると聞きます.筆者は“よい標本”を作製するには2つの大きな要素が必要と考えます.1つは医師の業務になりますが,細胞採取部位として針先を結節・腫瘤のどの部分に進めるのが望ましいのかを技師も理解することです.もう1つは,“検体性状を予測すること”になります.
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