コーヒーブレイク
検査は人なり
屋形 稔
1
1新潟大学
pp.728
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904429
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時代とともに検査室の形も変貌してくるのは検査の進展に流れがある以上当然である.大学病院も現在は検査室とともに講座があるのが大部分であるが,数十年前までは検査室はできたが講座はほとんど見られなかった.医学部の教育研究に講座がないのは検査医学の在り方にいかにも不自然で,永い苦闘の末に国立大学に講座が設けられたのは1980年ころからである.爾来検査医学の発展がスムースになったというべきであろう.
ただ,いま考えると検査室のみで運営されていたのも検査の本質上決して悪かったともいえない.いたずらに実学を離れ研究室のみが主体であるより検査室の日常から生まれてくる成果こそが臨床検査で最も大切なものであるからである.しかもその中で人間的な切瑳,成長への団結が日常見られていたのもよかった.私も検査部設置から講座開設までの20年間はこの形の中での臨床との協力,検査技師との交流の中で数えきれない人々との刺激や協力を得て経験と思い出を残すことができた.今回その中の2人の女性技師が節目を迎えたようなので改めて感謝したい.
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