シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編
RLGS法
浅川 順一
1
Jun-ichi ASAKAWA
1
1財団法人放射線影響研究所遺伝学部
キーワード:
遺伝子変異
,
ゲノムスキャン
,
シトシンメチル化
Keyword:
遺伝子変異
,
ゲノムスキャン
,
シトシンメチル化
pp.653-659
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904417
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はじめに
RLGS(Restriction Landmark Genomic Scanning)法1)はDNA断片の二次元電気泳動法であるが,この方法では,まず最初,ゲノムDNAをNotIのような8塩基認識制限酵素で切断し,生じる5'突出末端をアイソトープ標識した後,二次元電気泳動する.泳動後,オートラジオグラフィーを行いNotI断片を視覚化する.一次元目にテフロンチューブ内に作製したアガロースゲルを用いる垂直式電気泳動法と,二次元目には垂直式薄層ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を用いるDNA断片の高分離2DE法を開発しRLGS法に応用した2~4).高分離2DE法を用いたRLGS法ではプローブを用いず,1枚のゲルで3,000個のDNA断片を個々の分離されたスポットとして検出することができる.同一試料については各々別の実験で作ったパターン同士で,検出される3,000個のスポットを個々に重ね合わせられる.
RLGS法では制限酵素切断部位を選択的に標識しているのでスポットの大きさと濃度を積算した値(強度)はDNAコピー数に比例している.そこで,コンピュータ画像解析でスポットの定量解析を行うことで対象ゲノムに生じた変異を検出できる.また,遺伝子欠失・遺伝子挿入といったDNA断片のサイズの変化を伴う遺伝子変異を正確に捕らえることができる一方,一塩基多型や点突然変異を検出するのには不向きである.
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